ヒトの場合、はしか(麻疹)とか、おたふく風邪(mumps)とか子供のころ2~3回ワクチンを射って、その後一生射ちません。犬は成犬になっても毎年射つよう勧められます。いったいなぜだろうと思ったことはありませんか?
このHPの「狂犬病は過去の病気でしょうか?」で、現状ではワクチンが必要なことを述べました。人の場合、ワクチンにより天然痘を根絶し、ポリオも根絶される見通しです。犬の場合も命にかかわる感染症を大幅に減らすことに成功しています。これほどの効果はワクチンなしにはありえませんでした。ところが、一方でワクチンの弊害も指摘されています。いったいどうしたらいいのでしょうか?
最近、ワクチンについて新しい接種方法が、米国の獣医団体などで推奨されています。(このページの最後のほうで紹介しています。)日本でもだんだんそうなってくると思われます。効果的で、副作用(最近は副反応という)の少ないワクチン接種法について考えて見ましょう。ただ、日本と米国では多少事情が異なりますので(狂犬病ワクチンに関する法律)、実際の接種方法は獣医さんとご相談の上、自己責任で決めてくださいください。
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| 高山直秀 ワクチンの使い方 内科学書 文光堂 |
左の図はヒトの百日咳の場合ですが、昭和25年には年間10万人ほどだった百日咳患者はワクチンの接種により昭和40年代後半には年間200~300人ほどに減少しました。ところがこのころのワクチンは副作用も強く、脳症を起こし昭和49年と50年にそれぞれ1人ずつ死亡しました。このため接種が一時中止され、その後再開されましたが接種率が10%程度に落ち込みました。その結果、百日咳患者は急増し昭和54年には死亡者も40人を超えました。その後ワクチン接種率は改善し、より安全なワクチンも開発され、患者数も減少しました。
(例示した人の百日咳は、約1万4千人の患者数に対し死亡者が約40人と致死率は低いのですが、狂犬病はヒトも犬もほぼ100%死にますし、犬のジステンパー、パルボも致死率の高い病気です)
これは、ワクチンに光と影があることを示しています。国立感染症研究所の岡部信彦先生は、「健康者に対して薬物であるワクチンを投与するため重大な副作用の発生は限りなくゼロに近くあるべきであるが、生物体がその対象である以上きわめて少数ではあるがある割合で健康に対する侵害が表れることは避けられない。大多数が助かるのであればごく少数の被害はやむなし、とする考え方も極端である一方、少数といえども健康被害が発生する可能性がある以上ワクチンは危険・不要である、という意見も極端である。」としています。
したがって、ワクチンが必要なものであれば、どうしたらより安全に使用できるか考えなければいけません。副反応が軽くて少ないワクチンを開発するとともに、本当に必要なワクチンなのか、安全なワクチン接種方法はどうかを科学的に検討しなければなりません。
■ワクチンとは
病原体が侵入した時、まず一般的な防御機構が働きます。やわな病原体はこれで撃退されますが、強力なものはこれをかいくぐり体内で増殖して病気が発病します。そのうちに、その病原体のみを専門に攻撃する強力な機構ができます。その病気が治り、生き残った場合は、2度目にその病原体が体内に侵入しても、その病原体の記憶は残っていて、その病原体独自の防御機構はすぐに強力に立ち上がり、病原体が増殖する前に撃退されるのです。これを免疫といいます。
ワクチンは、毒性を弱めた、もしくは毒性をなくした病原体を体内に入れることにより、一度その病原体に感染したような状態にします。病気は発病しないけど、その病原体の記憶は残り、実際に感染したときはすぐにその病原体独自の防御機構が働くようになります。ワクチンは、人工的に免疫を与える方法です。
ワクチンは感染症が流行することを防ぐ、もっとも安価で、効果的な方法なのです。
蛇足ですが、花粉などに対する過剰な免疫反応がアレルギーです。
■細胞性免疫と液性免疫
ある病原体に対する特異的な防御機構には2種類あります。1.液性免疫 たとえば、ジステンパーウィルスに対しては、ジステンパーウィルス抗体が作られ、この抗体がウィルスにくっつきウィルスを破壊します。抗体は細胞ではなく、免疫グロブリンという物質で、血流に乗って病原体に到達します。抗体による免疫を液性免疫といいます。
2.細胞性免疫 リンパ球や大食細胞といった、細胞が病原体を攻撃することによる免疫です。
この二つの免疫がそろったほうがより強力に防御できます。後に述べる生ワクチン(MLV vaccine)はこの両方を与えます。不活化ワクチン(killed vaccine)は液性免疫のみを与えます。一般的にはウィルスは液性免疫のみで防御できますが、ヒトのはしか(麻疹)は両方ないと防御できず、生ワクチンが必要です。
■移行抗体
母体から初乳などを通して、子供が抗体を受け取ります。これを移行抗体といいます。抵抗力の弱い、生まれたばかりの子犬は、移行抗体により感染症から身を守ります。これは犬の場合、数週~4ヶ月ほど残ります。その後は自分で感染症に対処しなければなりません。移行抗体が残っている期間は母体の持っている抗体の量により変わってきます。この移行抗体のある時期にワクチンをしても、免疫は得られません。したがって、移行抗体が無くなってからワクチンをしなければいけないのですが、この間隔があくと、その間に感染する可能性があります。そこでこの移行抗体が無くなる2~4ヶ月の間に数回ワクチンを接種するのです。
■ブースター効果
ワクチンを1回接種しても、時間とともに免疫は弱くなっていきます。そこで、免疫が完全になくなる前に、もう1度ワクチンを接種すると免疫が増強するとともに持続期間が長くなります。不活化ワクチンの場合持続期間が短いので、定期的に接種する必要があります。人の場合、生ワクチンは一生効果が持続するといわれてきました。実は、全ての人が一生持続するわけではなく、その後自然に感染していたのが、ブースター効果になって効果が持続していたらしいのです。ところがワクチンによって、その感染症が少なくなり、自然感染をすることが少なくなり、大人になると免疫がなくなっている場合もあるようです。はしか(麻疹)は、ワクチンをしなかった人や、ワクチンの効果が切れた人が大人になってからかかることがあります。生ワクチンも、必ずしも一生効果が持続するわけではないようです。■ワクチンの副作用(副反応)
日本では、イヌのワクチンの副反応は、1994年から2000年までの6年間で311例農水省に報告され、そのうち11例が死亡しています。ワクチンによるヒトのアナフィラキシーは、米国で百万回に0.5回、日本で7回と報告され、犬の場合はヒトよりも多いだろうと推定されます。(Ohmori J.Vet.Med.Sci. 64(9): 851-853)ヒトの場合、ワクチンの副反応が多かったり、死亡例があるとニュースになりますが、動物の場合はあまりニュースにはなりません。つまり目立たないだけなのです。生ワクチンによるもの 生ワクチンは弱毒化してあるといっても生きた病原体ですから、その病原体による症状が軽く出る場合があります。また強毒株に突然復帰することがあります。しかし、十分弱毒化され、長いこと使用されて安定な株になっていればそういうことはほとんどありません。
高力価ワクチンといって、移行抗体が多少残っていても免疫をつけることができるというふれこみのワクチンもありますが、これは弱毒化の程度が弱いわけですから、危険性が高いという可能性や、病原体の排泄という可能性があります。
アレルギー・ショック アレルギーによる発疹や発熱、接種部位の腫れなど。ひどい場合、アナフィラキシーショックとなり、死に至ることもあります。アレルギーの主な原因は、主成分ではないことが多いようです。ワクチンには抗原そのもののほかに、製造過程上混入する培養液、培養細胞成分、抗生剤などと、安定剤・防腐剤などの添加物(ゼラチン・アルブミン・チメロサールホルマリンなど)、免疫原性を高めるためにアジュバンドとして添加されるアルミニウム化合物などが含まれており、アレルギー反応の原因になったりします。ヒトのワクチンではゼラチンが含まれないものも作られるようになり、アレルギーが減ってきています。また、犬のワクチンの中には、異種蛋白が少ないのでアレルギーが起こりにくいということを売り物にしているものもあります。
癌、自己免疫疾患 ワクチンの射ち過ぎにより、癌や自己免疫疾患がおきやすくなるという話もあります。ワクチンと免疫介在性溶血性貧血の関連が報告されています。また、野生のアライグマには自己免疫性甲状腺炎はほとんど無いのに対して、ヒトに飼われワクチンを射っているアライグマにはそれが多いということです。
猫のワクチン接種部位には繊維肉腫という悪性腫瘍ができることがあり、これをワクチン関連肉腫といいます。、通常病原体は胃腸の粘膜や気管支粘膜を通って入ってくるのに対し、ワクチンはいきなり体内に入ってくるためであるとか、ワクチンに含まれるアジュバンドも原因のひとつではないかといわれています。ワクチンを接種した部位に肉腫ができた場合、背中の肩甲骨の間では、完全に切除することが難しいので、切除しやすい大腿部などに接種すべきだということです。1000~10000頭に1頭の割合で起き、ワクチンを頻回に接種した猫ほど起きやすいとのことです。この場合、飼い主はワクチン製造者や獣医師に怒りを覚えたり、ワクチン接種を求めた自分自身に罪悪感を覚え、精神的に参ってしまうことが多いようです。もし、毎年のワクチン接種が続いたら、あるいはアジュバンドを含まないワクチンが開発されなければ、誰もワクチンを接種しなくなるでしょう。
有効性の欠落 まれにワクチンをしても免疫がつかないことがあります。(これは副反応と言えるかどうかわかりません。)ワクチンを接種したのに病気になったなどということが起こりえます。
■ワクチンの目的
1.集団防衛 ある地域社会で疾病が流行することを防ぐ目的で、義務的にワクチン接種を行うこと。かつてのヒトの天然痘に対する種痘など。犬に対する狂犬病も、法律で義務付けられているわけですからこれに該当するはずなのですが、接種しているのは50%程度なので集団防衛の役目を果たしていません。2.個人防衛 その個体が、感染症にかかることを予防するために行われるもの。ジステンパーなどのワクチンが任意に行われていますが、これは個人防衛になります。ただ、多くの犬がワクチンを接種することにより結果的に集団防衛を実現することになります。
3.社会的な意味 たとえば犬が、人や他の犬を噛んだ場合、狂犬病ワクチンをしていたかどうかが問題になってきます。していなければ、裁判では飼い主は適切な犬の管理をしていない、すなわち、犬を飼うのに不適切な人物であると判断されます。この場合、噛んだ犬が安楽死される可能性が強くなります。
また、ホテルにあずける場合や、ドッグランに参加する場合、ワクチンの注射済み証明書が必要なこともあります。
■ワクチンの種類
生ワクチン(MLV vaccine)病原性を弱くした(弱毒化)生きた病原体を用いたもの。液性および細胞性免疫の両方が誘導されるため長期にわたり免疫が持続されやすいという長所を持っています。一方弱毒の程度により本来の疾患の症状が出現したり、強毒株に突然復帰する可能性があるなどの欠点があります。
不活化ワクチン(inactivated vaccine, killed vaccine)
死滅した病原体を用いたもの。接種した抗原には感染性も増殖性も無いので疾患本来の症状が表れることはほとんどありませんが、免疫の持続が短いため、定期的に追加して接種を行わなければならないなどの欠点があります。不活化ワクチンでは免疫がつきにくいので、抗体を十分作れるよう、アジュバンドを添加する必要がある場合もあります。
トキソイド(toxoid)
毒素の毒性を失わせて抗原性のみを残したもの。
コンポーネントワクチン(component vaccine)
病原体から免疫を与えるために必要な部分のみを取り出して精製したもの。不活化ワクチンよりさらに安全性は高くなります。先に述べたヒトの百日咳ワクチンもこれになってから副反応が減りました。
遺伝子組み換えワクチン(recombinant vaccine)
病原体から免疫を与えるために必要な部分を、遺伝子工学的手法により安全なウィルスに組み込んだもの。コンポーネントワクチンよりは免疫原性が高まります。
人間の場合、生ワクチンは子供のころ数回接種した後は一生接種しません。(はしかは6~8年後に再接種するべきだとされています。) 不活化ワクチンであるインフルエンザワクチンは毎年接種します。{免疫は1年持続するわけではなく、流行する冬の間だけ(約5ヶ月間)持続します。}
■予防する病気
ジステンパー、犬伝染性肝炎、犬パルボウィルス感染症、狂犬病は命にかかわる感染症で、特別な治療法はありません。狂犬病ワクチンは単独で接種しますが、ほかのものは混合ワクチンとして一緒に接種します。これら4種の効果は高く、副反応は狂犬病は中から低、他の3種は低とのことです。パルボウィルスは単独のものもあります。 ジステンパー、犬伝染性肝炎、犬パルボウィルス感染症に犬パラインフルエンザ加えて5種というワクチンがあります。これはワクチンは4種類なのですが、アデノウィルス2型ワクチンは犬伝染性肝炎と犬伝染性喉頭気管炎の2種類の感染症を予防しますので、予防する病気の数は5種類ということです。これに犬のレプトスピラ病、コロナウィルスをさまざまな組み合わせで加えて6種、7種、8種、9種のワクチンがあります。レプトスピラは200種類以上あり、日本では9種類が確認されています。ワクチンにはこのうち2種類、もしくは3種類入っており、会社によって入っているものは若干違います。たくさんあるレプトスピラのうち、ワクチンに入っている2もしくは3種類についてのみ予防します。レプトスピラワクチンの副反応は頻度が多く、激しいということです。
詳しくは「ワクチンの種類と予防する病気」のページをご覧ください。
Green CE; Canine Vaccination. Vet Clin North Am 2001 May 31(3): 473
ワクチンの効果、副反応の程度については、下のAVMAの文献より。
■ワクチンの効果の最短持続期間
一般に、生ワクチンは効果の持続時間は長く(ヒトの場合、一生ともいわれています)、不活化ワクチンでは短いといわれています。犬のワクチンは毎年するように推奨されているので、不活化ワクチンなのだろうと思っていました。ところが、狂犬病以外の主要なワクチンは生ワクチンなのです。
下の表に、ワクチンの効果の最短持続期間が示されています。この最短持続期間のデータをもとにAAHAは1年後の再接種の後、3年毎のワクチン接種間隔を推奨しています。
犬のワクチンは、効果が1年持続することを証明すれば米国農務省が認可していました。少なくとも1年は効果が持続するけど、その後はわからないということから、いつの間にか1年毎接種という事になっていました。ワクチン製造会社が1年毎接種を推奨していたワクチンが、実は、狂犬病ワクチンは3年、その他のコアーワクチン(パルボ、犬伝染性肝炎、ジステンパー)は5年以上効果が持続するということが、臨床試験より明らかにされました。そういったことをふまえ、2003ガイドラインでは、コアーワクチンの成犬への接種は3年毎と提言しました。
不活化ワクチンである狂犬病ワクチンが3年も効果が持続するのも驚きですが、生ワクチンであるジステンパー、アデノウィルス-2、パルボウィルスワクチンが5~7年しか効果が持続しないというのも驚きです。
| コアーワクチン | 最短持続期間を調べる方法 | |
| 攻撃試験 | 抗体価 | |
| ジステンパーウィルス(CDV) (Rockborn Strain) |
7年 | 15年 |
| ジステンパーウィルス(CDV) (Ondersteport Strain) |
5年 | 9年 |
| アデノウィルス‐2(CAV-2) | 7年 | 9年 |
| パルボウィルス‐2(CPV-2) | 7年 | 7年 |
| 狂犬病ウィルス | 3年 | 7年 |
R. D. Shultz, Duration of immunity to canine vaccine: What we know and don't know; in: Canine Infectious Disease: From Clinics to Molecular Pathogenesis, Camichael L. (ED.)
■米国獣医学協会(AVMA)の犬と猫のワクチンについての報告
コアーワクチン 病原体がその地域に蔓延しており、重篤な症状を呈するため、ほぼ全ての犬が接種すべきもの。発病したら特別の治療法はない。| コアーワクチン | ワクチンの 効果 |
ワクチンの 副反応の頻度 |
ワクチンの 副反応の程度 |
| ジステンパー | 高 | 低 | 低 |
| パルボウィルス感染症 | 高 | 低 | 低 |
| 伝染性肝炎(アデノウィルス2型による予防) | 高 | 低 | 低 |
| 狂犬病 | 高 | 中~低 | 中~低 |
ノンコアーワクチン 多く見られる病気ではない、重症ではない、ワクチンの効果に比べ危険性が高い、犬のライフスタイルなどの点から、獣医と飼い主が注意深く検討してから接種するかどうか決めるべきで、全ての犬に一律に接種するべきでないもの。
| ノンコアーワクチン | ワクチンは 日本には |
効果 | 副反応 |
| 犬伝染性喉頭気管炎(伝染性肝炎と同時に予防される) | ある | 不明 | 低 |
| 犬パラインフルエンザ | ある | 注射:低 経鼻:中 |
低 |
| 気管支敗血症菌(ボルデテラ) | ない | 注射:低 経鼻:中 |
低 |
| レプトスピラ | ある | 様々 | 高 |
| コロナウィルス感染症 | ある | 低 | 低 |
| ライム病 | ない | 不明 | 中 |
| ジアルジア(ランブル鞭毛虫症) | ない | 不明 | 不明 |
接種間隔 効果が持続し、副反応が最小となるような間隔にするべきで、毎年接種するのは科学的な根拠はない。ワクチンの効果が 1年よりもっと長いというデータがそろってきた。免疫系への不必要な刺激は、効果を増強するのではなく、不必要な危険にさらすことになる。
Klingborg DJ; AVMA Council on Biological and Therapeutic Agents' report on cat and dog vaccines. J Am Vet Med Assoc 2002 Nov 15 ; 221(10): 1401-7
■英国獣医学薬品委員会の犬と猫のワクチンについての報告
ワクチンは、その危険性と利益の分析(risk/benefit analysis)により使用されるべきであるとしています。ワクチンの製造会社が添付文書で推奨している1年より、ワクチンによる免疫の持続期間は長いという根拠(エビデンス)があり、ワクチンの追加接種の期間に関する添付文書の情報は不適切となっていると指摘しています。Gaskel RM; Veterynary Products Committee working group report on feline and canine vaccination. Vet Rec 2002Feb 2; 150(5): 126-34
■米国動物病院会(AAHA)の犬のワクチンのガイドライン
ワクチンの選択と使用方法は、その病気の発生率、重症度、ワクチンの効果(免疫の持続期間も含めて)、安全性、犬の健康状態、ライフスタイルのバランスにより決定すべきとしています。AAHAでは、新たに非推奨ワクチンというカテゴリーを加えています。コアーワクチン
- 犬ジステンパーウィルス
- 犬パルボウィルス
- 犬アデノウィルス2型
- 狂犬病ウィルス
- ジステンパー麻疹ウィルス
- 犬パラインフルエンザウィルス
- レプトスピラ
- 気管支敗血症菌
- ボレリア(ライム病)
- ジアルジア
- 犬コロナウィルス
- 犬アデノウィルス1型
コアーワクチンについては、子犬の時期の接種は従来どおりで、1年後に接種した後は3年ごとの追加接種
ノンコアーワクチンは免疫の持続期間が短いため、半年から1年ごとの追加接種。
Paul MA: Report of the American Animal Hospital Association (AAHA) Canine vaccine Task Force : executive summary and 2003 canine vaccine guideline and recommendations. J Am Hosp Assoc 2003 Mar-Apr; 39(2): 119-31
終わりに
米国では5から10年前よりワクチンについていろいろ議論がありました。その間、猫のワクチンは毎年接種から3年毎接種に変わりました。最近米国の有力な獣医団体が相次いで犬のワクチンについてのガイドラインを出しました。そしてそれらはほとんど同様の結論を出しています。というわけで、犬のワクチンの大きな転換のきっかけとなるAVMAとAAHAの報告を紹介いたしました。これらの獣医団体は「ジステンパーなど最近あまり無いので、3年毎でもいいんじゃないか」と言っているのではなく、「毎年接種しても、3年ごとに接種しても効果は変わらない」としているのです。(個々の犬で免疫が持続しているかどうかを調べてワクチンの再接種を決められれば、それが一番いいのですが、それを調べる有効で現実的な方法はありません。だから、毎年接種するか3年ごとに接種するかという議論があるのです。)ガイドラインは強制ではなく、個々の犬のライフスタイルや、その地域の状況により、個別に、より良い方法を検討するべきだとしています。ノンコアーワクチンとされたもので、パラインフルエンザは副反応はあまりないのですが、AVMAが、副反応が多くて激しいとしたレプトスピラのワクチンをするかどうかが大きな問題です。コアーワクチンとされた病気はは特別な治療法がないのに対し、レプトスピラ症は抗生物質により治療が可能で、あまり多い病気ではない点が大きな違いですが、診断が遅れると命にかかわる病気です。このあたりが悩みどころです。野山を駆け回る猟犬のような生活をしているのかどうか、住んでいる地域に多発しているかどうかの情報が必要になります。
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